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2019年11月

日本舞踊の経済的な問題

このところ「30年振りに踊りを再開しました」という方が立て続けに入会してくださっています。

いつもは、日本舞踊に馴染みのない方に向けた内容のブログですが、今日はその「何十年振りに再開したい」という方向けのブログです。


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当稽古場には「お師匠さんが教えるのを辞めたから」
ということで再開された方だけ、
ご縁あってお稽古に見えています。

現在他流さんのお稽古場に在籍をされている場合、
無料体験および入会はできませんのでご了承ください。

さて、日本舞踊を長く続けることができない理由として、
・経済的に無理になってしまった
・会に出ないと気まずくなってしまった

などがあるようです。

当稽古場は、もともと20代の初心者の方がお稽古にたくさんいらしていたこともあり、
経済的な面をなんとかクリアできて
毎年舞踊会をできるよう努力してきました。

そのため、日本舞踊の世界では当たり前のような
「100万円かかった」「200万円かかった」という話は、
当稽古場で「善次朗の会」を立ち上げて以来、
これまで一度もありません。

と書きますと
「だって、みんな自分の着物でしょ?」と
言われてしまいそうです。

確かに、若い方だけでなく、経験者の方も「衣裳付は何年かに1回でいいや!」というのがうちの稽古場です。

ただ、人を増やし続けた結果、
衣裳屋さんとかつら屋さんは毎年お呼びすることができています。

「やっすい所使ってんでしょ!」って言いたい方。
おしおきします。笑

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※衣裳は松竹衣裳(歌舞伎公演でおなじみ)

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かつらは大澤(玉三郎さんと同じ!)様です。

では、当稽古場の舞踊会の写真を掲載いたします。

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「将門」
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「京人形」
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「女伊達」
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「吉野山」
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「操り三番叟」
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「娘道成寺」
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「娘道成寺」
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「鷺娘」

歌舞伎舞踊の大物ばかり並べてみましたが、
決してお金持ちの方が通っているわけではありません。

これらを安く皆さんに踊ってきてもらった理由は、
皆さんに長くお稽古を続けてほしいからです。

今日は、比較的長い曲や人を使う曲を中心に掲載しました。
おそらくこれらは、
一般的には お 金 の 取 れ る 演目だと思います。

なぜこれらの作品を安く踊らせてあげることができるのかについては、
・会場費が安いこと
・よしじろうが後見や音、お化粧の指導、道具やかつら衣裳の運送に至るまで携わっていること

上記2点を徹底しているからで、
どれかひとつでも欠けたら、
そしてよしじろうが死んだら、
2度と実現しない金額だろうと自負しております。笑


ちなみにこれらの全ての作品はあらかじめ料金表になっていて、やろうかどうしようか僕に相談しなくても、
お値段をお稽古場で確認できます。

ご興味ありましたらぜひ一度無料体験をお試しください。

ただしもう一度書きますが、
現在他流さんのお稽古場に在籍をされている方のお申し込みはお受けいたしませんのでご了承ください。

歌謡舞踊専門コース開設しました。

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日本舞踊をもっと身近に感じてほしいという思いから、
歌謡曲・流行曲などを気軽にレッスンしていただくコースを設けました。

皆様よくご存じの
「夜桜お七」「天城越え」「もののけ姫」など
歌謡曲や流行曲などを気軽にレッスンしていただくコースです。

「日本舞踊はよく知らないけど、知ってる曲に合わせて踊るならやってみたい」とのことで、
平日の日中、新しい趣味を持ちたい
主婦の方にご好評をいただいております。

入会金やお中元・お歳暮などの出費もありません。

月々5000円というリーズナブルな価格で、
皆様よくご存じの曲を踊ってみませんか?
まずは見学のお問い合わせをお待ちいたしております。

【日時】
毎月第2,第4月曜日の14時~
【場所】
藤蔭善次朗日本舞踊教室(JR船橋駅から徒歩7分)
初回はリハビリケア船橋前にて待ち合わせ

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【費用】
5000円
※別途500円で浴衣レンタル可

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【曲目】
白雲の城、さくらさくら、夜桜お七、天城越え、祇園小唄、もののけ姫など

※日時指定・曲目指定はできません。
※古典舞踊のお稽古はありません。
※誕生月割引サービス・家族割引サービスはありません。
見学可能・無料体験不可

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お問い合わせはyoshikun0803@gmail.comまで

・お名前
・メールアドレス
・歌謡舞踊専門コース受講希望の旨

上記3点をご連絡ください。
折り返し見学可能日時をご案内いたします。

日本舞踊のお扇子

日本舞踊の楽しみと言えば、
どんな衣裳を着ようかというところにあると思いますが、
やはりそこからもっと突っ込んで、

どんな帯にしようか
どんなお扇子を使おうか

このあたりにもこだわるとさらに楽しくなります。

「えっ!自由なんですか!?」ってびっくりされることも多いのですが、
ある程度の決まりを守れば自由です。

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よしじろうの日本舞踊教室では、
衣裳屋さんとかつら屋さんをお呼びして出演もできますが、
共用で使える裾引きや帯をできるだけ揃えて、
なるべく費用を押さえて出演できるようにしています。


例えば、
「舞妓」という舞踊があって、文字通り舞妓さんの拵えで上演するのですが、
お扇子は花街によって異なるので、多少の自由がききます。

師匠が京都生まれ、京都育ちなので、
使うお扇子にはなかなかやかましく言われるのですが、
本来はお稽古扇子のようなものが望ましいんだとか。

似たようなものなら霞の柄でいくらでもあるのですが、
やはり舞台なので、特に裾引きを着る場合には
小道具屋さんが持ってくるものほど派手すぎないものを集めています。


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イメージとしては、
舞妓を上の衣裳で上演すると決まってから、
まずはよしじろうがそれに合いそうなものをピックアップします。
※たしか本当は舞妓さんの衣裳に肩上げがあります。

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このあたりでしょうか。

それを実際に衣裳を着てもらったり、並べてみたりして、
下ざらい(リハーサル)で師匠に見てもらい、さらに本人の好みで決めていきます。

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帯も上の組み合わせと替えてみました。

なるべく「全く合わないね」というものは選ばないようにしているつもりですが。。。

「舞妓」や「鐘」などの、10分前後の作品は毎年のようにうちでも出るため、お扇子や帯はたくさん揃えるようにしています。

日本舞踊の衣裳

日本舞踊と言えば、美しい衣裳を着て踊るのもひとつの楽しみです。

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特に、衣裳屋さんの衣裳というのはちょっといいお値段しますけど、自分の好みで選んだりできますし、サイズ直しや洗い張りなどのお手入れもしなくてすむので、
ぶっちゃけ楽しいことばかり。

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普通はやらないのですが当稽古場では、松竹衣裳さんのご厚意で先着順で生徒さんも衣裳見に行けるので
(つまり自分の好み)それも楽しいようです。
※僕も師匠の会では行きません。

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僕などは衣裳の選び方も結構見られてしまうので、特に女形をするときは自分に合うのかどうかも気にしたりしています。

同世代の舞踊家さんたちのこだわりもなかなかのもので、
「大成駒(六代目歌右衛門さん)と同じ衣裳着たいんだよね」なんてサラッと言える強者もいます。笑

僕も負けていられません。笑
実はいま、新しい作品を作って上演する計画を練っていまして、それも衣裳をこだわって着ようかなと思っています。

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もちろん衣裳屋さんの衣裳とは比べ物にならないけど、うちにも貸出用の衣裳はたくさんあります。
その中から合わせる帯を替えてみたりとか、
自分のできる範囲で着物を選んで帯だけ借りてみたりとか、
自分だけのコーディネートにこだわるのも楽しいですよ。

指導する舞踊作品

藤蔭善次朗日本舞踊教室では、現在10代から70代後半の方まで幅広く通ってくださっています。

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もともとこのホームページからの問い合わせ、もしくはYouTubeからの問い合わせがメインだったので、ニーズも様々。

最初の頃はホームページからのお問い合わせのほとんどは20代の方が多くて、動画のアップロードに積極的なのも特徴。

ほとんどの方がはじめての経験だったのに対し、
僕が知っている作品は娘道成寺、鷺娘、鏡獅子など、歌舞伎舞踊が多かったので本当に苦労しました。

自分が演じていたものもありますが、舞台の数はそんなに多くなかったんです。

僕が習っている作品も、父のときはお弟子さんとの組ものが多かったですし、師匠の場合は初心者の方にはハードルが高い作品が多かったりするので、入門したばかりの方にはなかなか教えられません。

生徒さんが少ないうちは
「これをやりたいから振付してください!」という生徒さんもいましたし、
「よっちゃん(僕のこと)振付もやっておいたほうがいいよ」と薦めてくれた先輩もいて、流儀にない短い作品を見つけては振付をしたりもして、なんとかなっていました。

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自分でも、しばらくの間はお弟子さんに教えることを想定して作品を選んで自分の会にかけたりしていたんです。


ちなみに振付して自分の会に出したあとで流儀に振付があるとわかったものもあって、それらは歌謡曲以外全て封印しています(笑)
さくらさくらとか、梅の薫とか。

現在は、初代静樹師振付の「さくらさくら」を手ほどきにして、それまで手ほどきにしていた僕の振付の「祇園小唄」は2番手になりました。

皆さんがよく知っている曲→舞妓さんの踊りという流れを作って、
最終的に「すててこ節」という曲でお扇子の練習をして、地盤が固まっちゃう。

その頃にはいろんな生徒さんと接する機会が増えて、それぞれやりたいものが見つかっているようです。

高校を卒業してから、亡くなった祖母のお稽古場で一人暮らしをしばらくしていたのですが、
そのときに祖母が演じていた演目のビデオ(VHSの前の小さなベータ)を、少しずつVHSにダビングしておいたものが今とても役に立っています。

鴬宿梅、孫悟空、鐘、団十郎娘、四季の花、さらに祖母が振付した民謡などは、すでにお弟子さんたちが上演してくれました。

本当は細く長く続けてくれるのが何より嬉しいんですが、今は転勤だったり結婚だったりで、5年お稽古してくれるというのも厳しいようなので、技術が伴わなくても、なるべくやりたい作品をやらせてあげるようにしています。

一昔前なら「まだあんたには早い」って言われてしまう作品も中にはあるんですけど、
作品を残していきたいなら舞台にどんどん出していくべきです。

特に祖母の演じていたものは意外とわかりやすいものも多くて、鴬宿梅などはうちでの上演回数がとても多い上、
ストーリーがとても単純なので、昨日も遅い時間のお稽古だったのに、みんなが残って見ていってくれました。

もちろん「将門」や「吉野山」「娘道成寺」などは他流さんでも人気ですが、
お弟子さん達だけで「鴬宿梅」や「ねずみ」のような
わかりやすくて面白い作品、逆に「江島生島」のような悲恋物をデフォルトで出せるようにするのも、僕の目標のひとつです。

一方で、今日のお稽古では長くうちに通ってくださっているお弟子さんが「今日なんか別のものやってみたいんだけど」と。

以前他流さんでも経験があるという方は、古典も歌謡舞踊も含めて現在5名。
※ちなみに皆さん退会されてしばらくブランクがありますので問題なし。

この気まぐれなリクエスト(笑)は経験者の方あるあるで、
具体的に「これやりたい」というのがなければ、
なるべく御祝儀舞踊を取り上げるようにしています。

僕自身は、一人立のものでは「七福神」長唄と常磐津の「老松」「青海波」「北州」「万才」ぐらいしか舞台にかけた記憶はないのですが
(北州は代役です。怖くて自分からやるって言えない。笑)
「廓八景」「梅の春」「松島」「松の緑」
あとは「柏の若葉」「長生」「卯の花」それに清元の「老松」あたりは舞踊会でもよく出るので、リクエストがあればパッと踊れるようにしておきたいんです。

今日取り上げたのは「廓八景」。
ただ、考えてみたら「廓八景」を教えるのは初めてかもしれない。笑

若い方が多いと、御祝儀舞踊ってなかなかお稽古に出ないんですよね。。。
ストーリーがあるわけではないし、お扇子1本のものって頭で理解してても体現するのは意外と難しい。

それに、御祝儀舞踊の定番で花魁がうちかけを着る振りなんかは、
実際にそういう役をやらないとどうするのかわからないですもんね。

そういう意味で、先日玉三郎さんがテレビでなさっていた「老松」はわかりやすかったんですけど。。

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それに、20代にして「廓八景っていい曲ですよね~」なんて言われたらビビる。笑
(最近何人かの子が、松の緑かっこいいって言っててびっくりしました)

なんか常磐津のCD聴いてると、
踊りのお稽古してるなーって感じるんですよね。
久しぶりに聴いたからだと思うけど。

しばらく会で御祝儀舞踊出しまくろうか検討中。笑

先輩の舞踊会に

昨日は、舞踊家仲間の藤間大智くんの先生である
藤間清継先生のリサイタルへ。

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高校生ぐらいのころ、父が音響の仕事で何度かついて伺ったことがあるんですが、そのときは某女優さん(ドラマとかでめっちゃ有名な方)がご出演だったり
芸能関係の方が客席にいたり(1回ジャニーズの方がいたのを発見。誰とは言いません)する、見た目にも華やかな舞踊会。

昨日もいました。誰とは言いませんけど(笑)

で、今回は「四季の山姥」と新作の2本。

すっきりまとまっていて、四季の山姥はお扇子1本で、枯れ葉を集めて焚き火にしたりとかっていう振りがわかりやすくて。

新作のほうは歌舞伎役者さんが様々な当たり役を見せていくという内容ですが、芝居好きなら「あ!このシーンあの芝居だ!」というのが楽しい作品。

新作の最後も、山姥をつとめて芝居を去っていくという内容が四季の山姥とリンクしていたし、洒落た内容だなーと。


素踊りで「いまこういう振り」とか「いまこの役」って伝えるためには、衣裳を付けていろんな役をやることが大切だと改めて思います。