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善次朗の日記

手作りの小道具〜汐汲の桶

これから、教室に通う弟子もブログを担当させていただくことになりました。

外からはわからない教室の雰囲気や、お稽古の様子なども書いていけたらと思います。

 

さて、日本舞踊では様々な小道具が使われ、見た目はもちろんその扱い方も大きな見どころとなっています。

変化舞踊のひとつである『汐汲』の桶もそのひとつ。

能の『松風』から趣向をとったこの踊りでは、その名の通り汐を汲む振りが登場します。

『さし来る汐を汲もうよ』と、汐桶を持って踊るのですが、この扱いがとっても難しいのです。

ときには後ろ手に紐を掴もうとして、空を切ってしまうことも。

 

あるとき私も『汐汲』を舞台で踊らせていただくことになり、

お稽古を始めた当初は棒きれを代わりに使って練習していました。

ただ、実体が無いとやはり不安です。

(ふつう小道具屋さんにお借りできるのは、下ざらいと本番の時くらいです)

しかし買うとなると、当然とってもお高くなります。

そこで一念発起、自分でお稽古用の桶を作ってみることにしたのです!

 

まず、ぶら下がる桶の部分をどうするか。

板か何かを曲げて円柱型にするのはとてもじゃないけど無理だと思い、

無印良品のブリキのゴミ箱を使いました。

本物の小道具は地が銀色に塗られているのですが、これならそのまま使えます。

このゴミ箱に、百均で買ったアクリル絵の具で絵付けをしました。

2019108233410.JPG

ネットで拾った桶の写真と睨めっこし、絵心のなさを嘆きながら描いたもの。

一応上からスプレー型のニスを吹き付けたのですが、絵の部分がどうしても削れてきてしまうのが難点です。

 

棒の部分は、ホームセンターで買った木材(丸棒)をまず絵の具で白く塗り、上から赤のテープをぐるぐる。

これで、全て塗りで作るよりもずっと綺麗な縞になります。

 

・・と、ここまでは順調に進んでいたのですが、一番の試練はここからでした。

ブリキのゴミ箱に、紐を通すための穴を空ける作業です。

取りかかる前は、錐かなんかでスーッといけるよねーなんて軽く考えていたのですが、これがもう硬いのなんの。

ガンガンやってようやく穴が空いても、太い丸ぐけの紐を通すためにはそこからグリグリと穴を広げなければなりません。

1箇所ならまだしも、左右合わせて8箇所ですからね。これは大変でした。

できたら金属のヤスリでバリを落とし、紐を通して結びます。

2019108234411.JPG

ちなみにこの紐は七五三用の帯締めを使っています。

確か楽天のお店で一本1000円くらい(破格!)だったと思うのですが、

何しろ8本必要だったのでこれが一番高かったと思います。

 

棒にも紐を結びつけて、完成です!

2019108234457.JPG

いやあ、思った以上に時間がかかりました。

材料費はトータルで13000円くらいでしょうか。

 

これをお稽古場に持って行くと、師匠をはじめ皆さんに思いの外褒めていただき・・本番でも使うことになりました。

無事に役目を終えた今は、お稽古場の小道具置き場に眠っています。

次にどなたかが『汐汲』を踊られるときには、練習の時だけでも良いので使っていただけたら嬉しいです。

 

はやし

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